迷言?名言?「2位じゃダメなんですか?」を真面目に考えてみた

 


「なんで2位じゃダメなんですか?」って、実は名言じゃね?



2010年、今でも語り継がれる迷言(?)がある。

民主党の蓮舫議員が、スーパーコンピュータの予算に対して言い放ったあのセリフ――


「2位じゃダメなんでしょうか?」


この言葉、当時はネットでもマスコミでもボッコボコに叩かれた。

「日本の科学技術に冷水を浴びせた!」

「政治家が最先端技術の重要性をわかっていない!」

「1位の意義を理解してない!」

……と、技術者界隈や右派系メディアを中心に集中砲火。


でもさ、あえて言わせてもらう。

俺はこの発言、珍しく“名言”だったと思ってる。


もちろん、額面どおり受け取ればズレてる発言に聞こえる。

でも、もうちょっとちゃんと背景を見てみようよ。





スーパーコンピュータって、何がすごいの?



まず、件のスパコンの話。

当時の日本は、「世界最速のスーパーコンピュータを作るぞ!」ってことで、富士通と理化学研究所が組んで「京(けい)」っていうスパコンを開発中だった。国家プロジェクトで、数百億円の予算がぶっこまれてた。


で、政府予算の見直しの流れの中で、蓮舫が「その金、本当に妥当なん?」ってツッコミを入れたわけよ。


で、あのセリフが出てきた。


「2位じゃダメなんですか?」


このときの彼女のスタンスは、「1位を取るためにいくらでも金かけていいの?」って話だった。

つまり、**目的と手段がひっくり返ってないか?**という疑問。

1位を目指すことが目的になっちゃって、中身や使い道、費用対効果が置いてけぼりになってない?ってこと。


それ、めっちゃ重要な視点じゃない?





技術の世界では「1位」は意味がある



もちろん、技術の世界では1位は超重要。


なぜなら、1位を取るとスタンダードになるから。


これはIT業界でも、車でも、家電でも一緒。

トップに立てば、「その技術に世界が合わせる」ことになる。

OSでいえばWindows、スマホでいえばiPhone。

スーパーコンピュータでも同じで、1位=国際的な権威と信頼の象徴なのよ。


しかも当時は「ポストムーア時代」に向けた基礎研究も重要で、量子計算やAI解析、気象シミュレーション、創薬にも使える。そういう次世代技術の中核になるスパコンを、日本が主導権を握って設計できるかどうかっていう、まさに国家戦略の話。


だから「2位じゃ意味がない」っていうのも正しい。





でも、本当に説明できてた? 官僚たち。



ここで一番の問題は、官僚がまともに説明できなかったこと。


蓮舫の「2位じゃダメなんですか?」って問いに対して、官僚側は歯切れの悪い返答をしていた。

「1位を目指すことに意義があります」「競争の中で技術力を高めていくことが…」みたいな、フワッとした説明しかできなかった。


はっきり言って、それじゃ納得できるわけがない。


なぜ1位じゃなきゃダメなのか?

2位との差はどこにあるのか?

その投資は将来の経済や国益にどう繋がるのか?


そういう「普通の国民が理解できる説明」がまるでなかった。

これ、政治家うんぬんじゃなくて、行政の説明責任の欠如だよ。





結局、誰のための1位なのか



もっと言えば、1位を取ることが国民にとってどんな意味を持つのかが、まったく伝わってなかった。


技術者や官僚の中では「そりゃ当然1位でしょ!」って感覚だったんだろうけど、一般の人たちからすれば、スパコンの性能が1位でも2位でも、正直ピンと来ない。


  • 医療が劇的に良くなるわけでもない
  • 給料が上がるわけでもない
  • ガソリンが安くなるわけでもない



となると、「その金、本当にいる?」って疑問は出て当然。

蓮舫の質問は、国民目線ではごく自然な問いかけだったと思う。


だからこそ、そこで「1位の価値とは何か」を丁寧に説明すれば、むしろ多くの人が納得したかもしれない。

でもそれを怠った。説明できなかった。

その隙を突かれたのが、あの「2位じゃダメなんですか?」だったんだよ。





じゃあ本当に「2位じゃダメなのか?」



結論を言うと、ダメなんです。

少なくとも、スーパーコンピュータのような戦略技術においては。


1位であることでしか得られない国際的信用、企業誘致、研究人材の確保、技術標準の主導権…。

これは全部「先頭に立ってる者だけ」が持つ特権。

そしてそれは、金をかけてでも取りにいく価値がある。


でも同時に、「その価値をきちんと国民に説明できなきゃ意味がない」。

説明責任を果たさないまま、ただ「1位を取るのが正しい」と言い続けても、それはただの思考停止。





名言か迷言かは、聞き手次第



そう考えると、「2位じゃダメなんですか?」ってセリフ、めちゃくちゃ絶妙じゃない?


「愚問」と切って捨てるのは簡単。

でもその問いをきっかけに、


  • 技術投資の目的は?
  • 国民にとっての意味は?
  • 官僚の説明責任とは?
    っていう、大事な議論が始まったのも事実。



だから俺は思うんだよね。

あの言葉は、時代に一石を投じた“名言”だったんじゃないかって。


少なくとも、あの発言の裏にある問題提起は、今でも通用するどころか、

むしろ今だからこそ再評価すべきかもしれない。





最後に



ちなみにあの「京」は、世界1位を一時的に獲得したし、後継の「富岳」は2020年に見事に世界一を取りました。

しかも、「コロナの飛沫シミュレーション」でも大活躍。

つまり、「なんで1位を目指したのか」の答えが、時間をかけて証明されたってこと。


でもその裏で、やっぱり大事なのは、「それをどう説明し、国民に理解してもらうか」ってことなんだよね。


技術も、政治も、言葉で伝わらなきゃ意味がない。

そういう意味でも、蓮舫の一言は、ずっと忘れられない“問い”だと思う。


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