日本の住宅は20年で価値ゼロって本当? 〜それ、ちょっと誤解かも〜

 日本の住宅は20年で価値ゼロって本当? 〜それ、ちょっと誤解かも〜


「日本の家って20年で資産価値ゼロになるんでしょ?」


こういう話、聞いたことありませんか?


家って人生で一番高い買い物だって言われるじゃないですか。でもその買い物が、たった20年で“無価値”になるって、どういうこと?「なんか納得いかないな〜」って思ってる人、多いと思うんです。今回はこの「住宅は20年で価値ゼロ説」について、ゆるっと掘り下げてみます。



「価値ゼロ」って誰が決めてるの?


まず大前提として、「家の価値がゼロになる」ってのは、見た目とか住み心地とかの話じゃなくて、「資産評価上、ゼロになる」って話なんです。つまり、税金とか、銀行の融資とか、不動産査定とか、そういう場面で“帳簿上の価値”がゼロに近づいていくという意味。


日本では、住宅の価値を「建物」と「土地」に分けて評価します。で、この「建物」の部分が、どんどん減価償却されていくんですね。


たとえば、木造住宅だと「法定耐用年数」が22年。この期間を過ぎると、「もう使い切ったね〜」ってことで、税務上の価値はゼロになります。


でもちょっと待って。築23年の家でも、フツーに住めるし、雨風しのげるし、生活できるよね? それでも「価値ゼロ」って言われちゃう。ここにまず、なんかおかしさがある。



「スクラップ&ビルド」文化の裏側


じゃあなんでそんな評価の仕方になるのか? 一つの要因は、**日本独特の“スクラップ&ビルド文化”**にあります。


欧米では、築100年の家なんてゴロゴロしてます。レンガ造りの古い家をリノベして大事に使うって文化がある。古さは「味」だし、資産価値もある。


一方、日本はというと…

「新築が一番」

「中古はなんか不安」

「どうせなら建て替えよう」


みたいな価値観が根強い。


地震が多い国ってのもあって、古い家=耐震的に危険という見方もあるし、家そのものを資産というより“消耗品”と見てる感じなんです。


その結果、中古住宅は新築に比べて圧倒的に安くなりがち。築20年もすれば、「これもう建て替え前提だよね」みたいな評価になってしまう。



実際の中古住宅の価格推移


ちょっとリアルな話をすると、首都圏の中古一戸建ての価格を見てみましょう。築20年を超えると、たしかに価格は下がります。ただし、「ゼロ」になるわけじゃない。たとえば、土地の価格が残っているから、最低限の価値はある。


でも、築浅(たとえば築5年とか)の家に比べたら、「うわ、こんなに安くなるの?」ってレベルで下がる。新築時に4000万円だった家が、20年後には建物評価がほぼゼロ、土地価格だけで1000万円とか、そういう世界です。



一方、アメリカやヨーロッパでは


じゃあ海外ではどうなのか?


アメリカでは、住宅は基本「長持ちするもの」として評価されます。築年数が古くても、「ちゃんとメンテされてるか?」が大事。リノベして価値が上がることもある。ていうか、ローンの仕組みも全然違ってて、「住宅は資産として残るから担保価値がある」って前提で組まれてる。


ヨーロッパも同じ。特にイギリスやフランスでは、200年前の家を今でも使ってるなんてザラ。石造りで頑丈だし、歴史ある建物は「文化財」みたいな扱い。だからこそ、中古住宅市場が成熟してて、「古くても価値がある」という社会的認識が根付いてる。



なぜ日本は中古住宅市場が育たなかったのか


これ、いろんな理由があるんだけど、ざっくり言えば:

1. 法制度が未整備だった(今は改善中)

2. 住宅の質が昔は低かった(断熱・耐震など)

3. とにかく新築信仰が強すぎた


一昔前の日本の家って、ほんとに寒かったし、地震にも弱かった。断熱ゼロ、耐震性も怪しい。そんな家、誰も中古で買いたくないよね。でも最近は性能が上がってきてる。ZEH(ゼロエネルギーハウス)とか耐震等級3とか、高性能な家が増えてきた。


つまり、「中古=ポンコツ」じゃなくなってきてるわけです。



最近は変わりつつある?


ここ数年、中古住宅市場にちょっとした変化が見られます。

リノベーションの流行

インスペクション(建物診断)の義務化

空き家問題を背景とした中古住宅活用の推進


国も「空き家ヤバい…」ってことで、中古住宅の活用を後押ししてる。たとえば、住宅ローン減税の対象に中古住宅を含めたり、リフォーム補助金を出したり。


これって要するに、「今までみたいに家を20年で使い捨てるのやめようよ」って流れになってきてるわけ。



じゃあ今、家を買うときどうすべき?


もしこれから家を買うって人がいたら、ぜひ考えてほしいのは、

「この家は20年後にどうなる?」

「土地の価値だけでOK?」

「リセールバリューある?」

「リノベしてでも住み続けたい家?」


って視点です。


特に郊外の戸建てなんかは、人口減少が続く中で「将来売れない土地」になる可能性もある。つまり、「家の価値がゼロになる」の裏には、土地の価値が下がるという話もあるってこと。



結論:「20年でゼロ」は半分ホント、半分ウソ


というわけで、「日本の住宅は20年で価値ゼロになる」ってのは、制度上はそうなってるけど、実際の価値はケースバイケースってのが結論です。


制度や文化がそうさせてるだけで、「家そのものに価値がない」わけじゃない。ちゃんと手入れしてれば、築30年でも住み心地のいい家はいっぱいあるし、価値だって残る。


逆に、「新築=価値が高い」ってのも思い込みです。買った瞬間に値下がりする新築だってたくさんあります。家選びって、本当に難しい。


でも少なくとも、「20年で価値ゼロだから家は損」と思ってる人がいたら、それはちょっともったいない考え方かもよ、ってことだけ伝えたいです。



最後まで読んでくれてありがとう!

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