「農業は補助金まみれ」は完全にデマだった件
日本の農業補助金は先進国で最下位!?
〜「保護されすぎ」なんて真っ赤なウソ〜
最近、よくこんな言葉を耳にしませんか?
「日本の農業は補助金まみれで保護されすぎ」
「競争力がないから守られて当然っていう甘えだ」
「もう自立しろよ、日本の農家は」
…いやいや、それ本当? ちゃんと調べた?
実は、そんな「農業=手厚い補助金で守られてる」っていうイメージ、ぜんっぜん事実じゃないんです。むしろ日本は、先進国の中で最も農家に冷たい国かもしれない。今日はそのことをわかりやすく語ります。
「日本は農業にお金かけすぎ」って誰が決めたの?
農業の補助金の話になると、よく出てくるのが「PSE(生産者支援推定値)」っていうOECDの指標。日本のPSEは約38%で、「OECD平均より高いじゃん」とか「やっぱり日本は農業保護大国だな」みたいな議論に使われます。
でもこのPSE、めちゃくちゃクセが強い。
たとえば、国産のネギが158円で、外国産が100円だったとします。日本で関税などがあって国産のほうが高くなってると、この差額58円を丸ごと『補助金』としてカウントするんです。
でもちょっと待って。その価格差って、ほんとに「保護」なんですか?
鈴木宣弘さん(東京大学名誉教授)はこの点をバッサリ斬っています。
「それは補助じゃなくて、消費者が品質や安全性に価値を感じて自ら国産を選んでいる“国産プレミアム”だ」
つまり、「このネギは国産だから安心」と思って買ってる私たちの選択を、「政府が農家に58円渡してるのと同じ」として計算されちゃってるわけ。変でしょ?
鈴木先生が見てるリアルな数字
じゃあ、本当に政府から農家に渡されている「お金」はどれくらいなのか。
鈴木先生の分析によると、日本の農業所得に占める実際の補助金割合は約30%前後。これはスイスやノルウェーでは100%近い水準と比べると、雲泥の差。
しかも、フランスやドイツ、アメリカといった農業大国でも50%を超えてるケースはザラ。
要するに、
**「日本の農業は保護されてる」は完全に間違い。むしろ一番放置されてる国」**なんです。
それでも農家は頑張ってる
じゃあなんで日本の農業はまだ成り立ってるの?って話になりますよね。
答えは単純で、「農家が無理してるから」。
• 高齢者が年金頼りで細々と続けてる
• 家族労働で人件費ゼロにしてやりくりしてる
• 自前で機械を直してコスト削減してる
• 過労とストレスで倒れそうになりながら作業してる
これ、全然「自立してて素晴らしい」なんかじゃないですよ。ギリギリで踏ん張ってるだけ。
そのうち限界が来ます。ていうか、すでに来てる。
食料自給率もガタ落ち
ご存知のとおり、日本の食料自給率は今や37%(カロリーベース)。戦後最低レベルです。
つまり、日本人が毎日食べてる食事の6割以上が海外頼り。
「安いから外国産でいいよ」ってのは、平時なら通じる話。でも、いざというときに輸出止められたり、円安で爆上がりしたり、物流止まったりしたら?
コンビニの棚が空っぽになる未来、現実味ありますよ。
他国はどうしてるの?
スイスなんかすごいです。補助金が農業所得のほぼ100%。
なぜそこまで支援するのか?
答えは明確。「農業は国を守る戦略的産業」だから。
農業って単なる「ビジネス」じゃない。
• 食料安全保障
• 農村の維持
• 環境保全
• 災害防止(棚田や森林の管理)
こうした「公共財」の役割を担ってる。だから税金で支えるのは、ある意味当然の考え方なんです。
日本政府がやるべきこと
それに対して、日本はどうか。
補助金を削り、関税を下げ、自由貿易を推進し、「農業は市場原理で競争しろ」と突き放す。
だけど、そのせいで農業が崩壊すれば、ツケは国民全体に跳ね返ってくる。
• 国産野菜が消える
• 地方の人口がさらに減る
• 山や川が荒れる
• 食料価格が乱高下する
こんな未来、誰も望んでないはず。
まとめ:「守りすぎ」じゃなくて「守らなすぎ」
農業補助金=甘やかし、ってイメージはもう捨てましょう。
実際は、日本の農業は放置されすぎてる。
鈴木宣弘さんのデータは、それを冷静かつ説得力たっぷりに示しています。
そして、私たちがその現実を知らないままだと、政治はますます農家を切り捨てていくでしょう。
「食べもののことは、食べてる人みんなで考えるべきこと」
農家の問題は、あなたの毎日のごはんの問題でもあるんです。
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【参考資料】
・鈴木宣弘『農業消滅』講談社現代新書
・JACOM「“農業は補助金まみれ”という虚構」
・OECD「Agricultural Policy Monitoring and Evaluation」報告書
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