消費税の還付金は儲けじゃない。制度を知らずに叩くのは筋違い

 消費税の還付金で「儲けてる」と思ってる人、ちょっと落ち着こうか



「トヨタが2000億円も還付金をもらってる!」「消費税を払ってる庶民は損ばっかり!」

こういうニュースやSNSの声、最近よく見るようになったけど…

それ、**本当にわかって言ってる?**って話なんですよね。


たしかに感情的にはわかりますよ。「消費税、苦しいよな〜」「10%って地味にデカいよな〜」

でもだからといって、制度の仕組みを無視して「ズルい!」って叫ぶのは、ちょっと短絡的すぎませんか?



まず、「還付金=儲け」じゃない


これ、ほんとに大事。消費税の還付金ってのは「もらえるお金」じゃないんです。


たとえばあなたがラーメン屋を経営してるとします。

スープの材料を問屋から仕入れるときに、10万円払って、そのうち1万円が消費税だった。

で、お客さんにラーメンを売るとき、1000円のラーメンに100円の消費税を上乗せして販売。


このとき、あなたは「預かった消費税(売上)」と「払った消費税(仕入れ)」の差額を税務署に申告します。

仕入れで払った消費税:1万円

売上で預かった消費税:5000円


差し引き:▲5000円(←この分を還付してもらえる)


はい、どこにも「儲け」なんてないですね。

自分が払ったものが戻ってくるだけ。言ってみれば「お釣り」みたいなもん。



輸出企業が還付される理由


ここで「なんでトヨタとかソニーとか、輸出してる企業ばっかり還付されるの?」って疑問を持つ人もいるでしょう。


答えはシンプルです。輸出には消費税がかからないから。


「え、なんで?」と思うかもしれないけど、これは国際的に常識なんです。


消費税(海外ではVAT:付加価値税)は「その国で消費されたもの」にだけ課税する税金。

つまり、日本から輸出されて、アメリカで使われる製品には、日本の消費税はかけないってのがルール。


だけどね、車を作るために使った部品や素材は、日本国内で買ってるから、ちゃんと消費税を払ってるんですよ。

そこで、「あ、この車、輸出用だから消費税返しますね」って国が後からお金を戻してくれる。これが輸出還付金ってやつ。



「でもトヨタは2000億ももらってるじゃん」?


うん、もらってる。でもそれ、ちゃんと2000億円分、国内で消費税を払ってるってことですよ?


「払ったものが戻ってきてるだけ」って何度も言ってるけど、これがわからない人、多い。


「じゃあ払わなきゃいいじゃん」とか言っちゃう人もいるけど、それやったらもう輸出するたびに赤字です。


「消費税がなかったら、もっと利益出るのに」と思うかもしれないけど、それも違う。

日本の仕組みは、「消費税を払う→あとで戻る」って流れなんで、別に免税されてるわけじゃない。


むしろ、還付までの間は一時的に消費税分のキャッシュが拘束されるから、資金繰り的には不利だったりするんです。



「庶民は損してる、大企業ばっかり得してる」っていう人たちへ


これはまあ、気持ちはわかる。

消費税は誰にでも平等にかかるから、収入が少ない人ほど負担感が強くなるのは事実。


でもそれと、還付制度がズルいかどうかは別の話です。

大企業が得してる!←そう見えるだけ

消費税が庶民にキツい!←わかる

だから還付金をなくせ!←筋が通ってない


正直、感情と制度をゴッチャにしすぎなんですよね。


還付制度がなかったら、輸出企業は二重課税みたいになって、日本からモノを売る意味がなくなる。

するとどうなるか?

→海外に工場建てて、雇用も税金も日本に落ちなくなる。

→もっと困るのは結局「庶民」です。



消費税の逆進性と還付は別問題


「逆進性(低所得層ほど負担が重い)」ってのは、たしかに消費税の構造的な問題。

これはこれで議論の余地があります。


でも、逆進性があるから還付もズルい!ってのは完全に論理が飛躍してる


たとえるなら、


「コンビニでポイントがつくのはズルい。俺は現金しか使わないから不公平だ!」


って怒ってるようなもん。仕組みを理解せずに文句だけ言ってる。



還付金で「儲けてる」は都市伝説


ネットでよく見るやつ:

「大企業は税金を払ってない」

「消費税は庶民から吸い上げて、大企業にバラまいてる」

「輸出還付金でトヨタは儲かってる」


いや、儲かってるのは事業として成功してるからであって、還付金じゃないですから。

還付があろうがなかろうが、赤字の会社は還付なんか受けられないんです。

(仕入れがあって、売上がなければ還付対象にはなるけど、それは「事業としてまだ動いてない」段階に限られます)



最後に:感情論に騙されないで


「よくわからんけど、なんかズルそう」って感覚だけで制度を批判するのは、とても危険です。

それって「自分で考えずに、誰かの怒りに便乗してるだけ」だから。


もしそれで「還付制度なんかやめろ!」って空気になったら、一番困るのは日本の雇用と経済です。



まとめ:還付金は「お釣り」、儲けじゃない

還付金は「払った消費税が戻ってくる」だけ。利益ではない。

輸出には消費税がかからない(国際ルール)→その分は後で返してもらえる仕組み。

大企業が還付されるのは、ちゃんと大量に消費税を払ってるから。

制度を知らずに「ズルい」と叫ぶのは、自販機でお釣りが出るのを見て「金を得てる!」って言ってるようなもの。



庶民が苦しいのは事実。でもその原因は「還付制度」じゃなくて、「そもそも給料が上がらないこと」や「社会保障費の重さ」だったりします。


本当に怒るべき相手を間違えないようにしたいですね。

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