円高で出ていき、貧乏になって帰ってくる企業たち

 企業が日本から出ていった理由と、もし戻ってくるとしたら…それ、喜んでいいの?


ちょっと考えてみてほしい。


「最近の若者は給料安い」とか「非正規ばっかりで生活が苦しい」とか、よく聞くけどさ、それって実は結構ヤバい現象なんじゃないかと。もしかして、日本が“新興国化”してる兆しかもしれないって思わない?


しかもね、それがきっかけで、企業が日本に戻ってくる可能性があるって言われてるんだよ。でもさ、それって素直に喜んでいい話なのかな?今日はそのへんを掘り下げてみたい。



円高放置時代、企業は逃げ出した


話は遡って民主党政権時代(2009〜2012年)。


あの頃、1ドル=75円台というとんでもない円高だったのを覚えてる人、どれくらいいるだろう。世界的にはリーマンショックの影響で各国が金融緩和してたのに、日本は真面目に円を刷らなかった。だから円だけが強くなって、日本の製造業はボロボロ。


例えば、トヨタやパナソニック、シャープ、ソニー、日立……日本を代表するような企業たちが、「もう日本じゃ採算合わん」と判断して、工場を海外に移し始めた


ベトナム、タイ、インドネシア、バングラデシュ、そして中国。みんな人件費が安い。しかも円高なら、海外で作って日本に持ってくる方が安いんだから、もう国内でモノを作る意味がない。


民主党政権はその円高に対して、ほぼノーリアクション。為替介入もほとんどせず、「市場に任せましょう」みたいなこと言ってたけど、企業からしたら見殺しにされた気分だったと思うよ。



海外で稼いで、海外で使う構造が完成


で、企業は出ていった。設備も人材もノウハウも、全部海外に移した。


じゃあその後、安倍政権になってアベノミクスで円安になった時、企業は日本に戻ってきたかっていうと――戻ってこなかった。


なぜか?


簡単。もう海外に根を張ってしまったから。現地に工場があって、現地にサプライヤーがいて、現地に販売網もあって、現地政府との関係もできてる。今さら戻るなんて、コストがかかりすぎるし、意味がない。


しかも、現地での儲けは、現地通貨(ドルとか人民元とか)で出るわけで、それをわざわざ日本に送金すると、為替のリスクや税金がかかる。それなら現地でそのまま再投資した方が効率的だよね、って話。


こうして、「日本企業は儲かってるのに、日本には金が入ってこない」という現象が起きたわけだ。



日本に戻ってくる“かもしれない”理由


でも最近、「企業が日本に戻ってくるかも」って話を聞く。


おっ、ついにリショアリング(国内回帰)か!?って思うよね。でもその理由が…


「日本の人件費が安くなったから」


だったら、どう思う?


これ、笑えないよね。つまり、日本人の給料が下がりすぎて、「あれ?日本ってもしかしてバングラデシュより安いかも」って企業が思い始めたら、コスト面で日本が“魅力的”に見えてくるという話。


企業が出て行った理由が「高すぎる人件費」だったのに、戻ってくる理由が「安くなった人件費」ってさ…。そんなの、完全に新興国扱いじゃん。



雇用が戻っても、豊かさは戻らない?


仮に企業が日本に工場を作ってくれたとしても、そこで雇われるのは、安い賃金の非正規や派遣が中心になるかもしれない。


企業からしたら「日本人は真面目で時間通りに働くし、海外より治安もインフラもいい。しかも給料が安くなってる。最高じゃん!」ってなるけど、それ、国民から見たら全然ハッピーじゃない


仕事がある=豊かになる、じゃない。


給料が安くて、社会保障もなくて、将来も見えないなら、それは単に「労働力として買い叩かれてる」だけなんだよね。



地政学リスクで戻ってくる可能性もある


もう一つ、日本に企業が戻ってくる要因があるとしたら、それは海外の不安定さ


中国と台湾の緊張、物流の混乱、感染症、政変、戦争…。こうした地政学リスクが高まると、「やっぱり安定してる日本に拠点を戻そう」っていう動きが出てくる可能性はある。


でもそれって、“消極的な理由”で戻ってくるってことで、つまり「本当は海外でやりたいけど、仕方なく日本でやる」っていう姿勢。


そうなると、やっぱり雇用の質や待遇は期待できないかもしれない。



「企業が戻ってきた!」って本当に喜べるか?


テレビや新聞ではたまに、「企業の国内回帰が進んでいます!」なんてニュースが流れるけど、その裏にある構造をちゃんと見た方がいい。

円高放置で出ていった企業

海外で稼いで、海外で使う構造の完成

日本人の賃金が下がって戻ってくる企業


この流れを見ると、単純に「やったー!工場が戻ってきた!」なんて言えないよね。


むしろ、「あれ?日本って“安い国”として選ばれたのか?」っていう、ちょっとした絶望感すらある。



まとめ:賃金が上がらない国に未来はあるのか?


企業が戻ってくるのは、それ自体は悪いことじゃない。


でも、「なぜ戻ってくるのか?」が大事。


人件費が安くなったから戻ってくるなら、それは“豊かになる未来”じゃなくて、“貧しくなる過去”の始まりかもしれない。


「日本が選ばれる国になる」って言葉はカッコいいけど、それが「安いから選ばれる」じゃ、意味がないよね。


本当に大事なのは、ちゃんとした給料がもらえて、働く人が生活を安定させられる社会を作ること。そうじゃなきゃ、企業が戻ってきても、国民は置いてけぼりのままだ。



というわけで、「企業が戻ってくる=明るい未来」とは限らないって話でした。ちょっと長くなったけど、こういう構造を知っておくと、ニュースの見方も変わってくると思うよ。

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