PB黒字化よりインフラ整備が先だろって話

 プライマリーバランスってそんなに大事か?――インフラ投資と財政健全化のジレンマ


最近また「プライマリーバランス(PB)を黒字にしよう!」って話が財務省方面から聞こえてくる。たしかに耳ざわりはいいよ。「将来世代のために借金を減らそう」みたいな。


でも、ちょっと待てと。


今の日本、そんなこと言ってる余裕ある?

全国のインフラがボロボロで、地方は人口減でガタガタ、防災も心配、エネルギー安保も不安なのに、借金を減らすことがそんなに最優先か?


今回はちょっと長めに、「インフラ投資とPB達成って両立できるのか?」って話を、フランクに考えてみたいと思う。



そもそも「PB」ってなに?


最初にちょっとおさらい。


**プライマリーバランス(PB)**ってのは、国の財政のうち、「借金の利払いを除いた収支」。簡単に言えば、


税金とかの収入 - 政府の支出(社会保障とか公共事業とか) = PB


で、この差がプラスなら「PB黒字」、マイナスなら「PB赤字」ってこと。


日本はずーっとPB赤字。支出が税収より多いから、差額を国債で賄ってるわけだ。


で、財務省は「2025年度にPB黒字化を!」とか言ってた(なお、もう2025年ですけど……?)。



PB黒字化しなきゃ国が潰れる」はウソ


よくある主張にこういうのがある:


「このままだと日本の財政が破綻する!」


でもこれ、冷静に考えてみてほしい。

日本の借金はたしかにすごい(1000兆円超え)が、ほぼ全部“自国通貨建て”で、しかも日本人と日銀が持ってる


他国と違って、「借金の返済に必要な通貨(=円)を日本は自分で発行できる」。

つまり、理論上「円が刷れる限り、日本はデフォルトしない」。


たとえばギリシャはユーロ建てで借金してたから危機に陥ったけど、日本は違う。

この違い、めちゃくちゃ大きい。



インフラ投資って、すぐにPBを悪化させる


じゃあ本題に戻ろう。


インフラって、道路・橋・鉄道・上下水道・港湾・堤防・ダム・電力網・病院・学校……いわゆる“社会の基盤”ね。


こういうのって、作るのにめちゃくちゃカネがかかる。たとえば高速道路1km作るのに10〜30億円とか普通にかかる。


で、国がインフラ整備すると、当然支出が増える。

→ PBは悪化する。


しかもインフラって、すぐに税収に結びつくもんじゃない。

新しい橋をかけたら明日から税収アップ!…とはならない。

でも20年後には物流がスムーズになって、地域経済が潤って、企業が増えて、結果的に税収が増えるかも。


つまりインフラって、短期的にはPBを悪化させるけど、長期的には経済成長の土台になる



「今こそインフラ投資を増やすべき」な理由


日本のインフラ、今マジでやばい。

たとえば――

橋の約4割が建設から50年以上経過

水道管の漏水率、実は先進国ワーストレベル

地方のトンネルやダム、老朽化で事故リスク増大


それに加えて、地震・台風・豪雨・津波――自然災害大国の日本では、防災インフラが生命線。にもかかわらず、維持更新の予算がどんどん削られてる。


さらに言うと、今の日本はエネルギーでも食料でも海外依存。安全保障上も、自前のインフラ整備は重要になってくる。


でもそんなときに「PB黒字化が最優先です」って言われても、「は?」って感じ。



景気が弱いときのPB黒字化は逆効果


経済学では「景気が悪いときに政府が支出を絞ると、さらに景気が悪くなる」ってのは常識。


実際、日本は過去にこれやって失敗してる。


たとえば2014年の消費増税。

「PB改善のため」ってことで5%→8%に上げたけど、その直後に景気が失速。税収も伸びず、PB改善どころか悪化した。


景気が弱いときにPB黒字化を急ぐのは、回復中の患者に断食させるようなもの。そりゃ体力なくなるわ。



バーナンキも言ってた。「PBなんて後でいい」


元FRB議長のバーナンキ(リーマン危機のときのアメリカ中央銀行トップ)が、来日したときにこう言った。


「日本はPB黒字化なんて急ぐ必要ない。まず経済成長を優先しろ」


あのアメリカの中央銀行の元トップがそう言ってるわけ。

なんなら「ヘリコプターマネーでもやれ」ってレベルの提言をしてた。


成長すれば税収も増えるし、あとからPBは勝手に改善するって話。

順番を間違えるなってこと。



じゃあいつPB黒字化を目指すべき?


簡単です。

景気が回復して税収が自然に増えてるとき

金利が上がって、借金の利払いが重くなってきたとき


このときに、徐々に黒字に向かえばいい。

今みたいに成長率が低くて金利もほぼゼロのときは、むしろ借金してでも未来に投資すべきタイミング



「帳尻合わせ」が目的化する危うさ


PBって、もともとは「将来世代にツケを残さないように」っていう目安のはずだった。


でも最近は、「PBを黒字にすること自体が目的」みたいになってる。

たとえばこんな議論:

「PBが赤字だから消費税を上げましょう」

「支出を減らすために公共事業を削減します」


いや、それって目の前の社会を壊してない?


将来のために今を削って、その結果将来が貧しくなるなら、本末転倒じゃない?



まとめ:PBは大事だけど、今じゃない


というわけで、今回の結論はこれ。


インフラ強化しながらPB黒字化? それは今じゃない。


むしろ今こそ、未来のためにインフラに投資すべきタイミング。

PBはそれがうまくいって、経済が回ってから自然に改善すればいい。


成長なき緊縮は、自分で自分の首を絞めるようなもの。

「国の借金が〜」って騒ぐ前に、「この国をどう維持するか」をちゃんと議論してほしい。



おまけ:財務省に聞いてみたいこと


最後に、財務省の皆さんに聞きたい。


「あなたたちの言う“将来世代のため”って、壊れた道路と崩れる堤防の中で生きていく子供たちのことですか?」


もしそうじゃないなら、PBよりもまずインフラでしょ?って話でした。

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